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日々の生活絵図鑑 real illustration

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2019.06.30 Sun 「綾峰音楽堂殺人事件」 藤谷治/著

「綾峰音楽堂殺人事件」 藤谷治/著 ポプラ社 装幀/bookwallさん

オーケストラが舞台のサスペンスとのことなので、
楽器をたくさん描くので素材として扱ってもらって構わないので、
そこにキーになるビジュアルを混ぜて
自由にデザインしてみてはと提案させてもらいました。
残念ながらゲラを読む余裕がなかったのですが、
あらすじや小説のイメージにしっかり合った
装幀に仕上げてもらっているように思います。
どうぞよろしくお願いいたします。発売中です!

綾峰装幀

チェロ

バイオリン2

オーボエ

ホルン

リードナイフ

2019.06.13 Thu 「絶唱」文庫 湊かなえ/著

「絶唱」文庫、湊かなえ/著 新潮社
装丁/只野綾沙子(新潮社装幀室)

ここの出版社は少なくとも自分にとってはありがたい出版社。
写実な絵は時間がかかって利益率は極めて悪い。
また多くの一般の方は誤解しているけど装画は印税でもない。
イラストレーションの対価は基本、使用料として払われる。
ゆえに新たな商品、別媒体の場合は流用費が本来は発生する。
しかし出版社の考え方はそれぞれで、1度描いたらどんな仕事、
何度使っても最初の費用以外は払わないという契約書さえあるところもある。

あるイラストの団体(TISではない)がある出版社の契約書が
あまりにも不当だというので抗議したところ、
団体の会員まるまるその出版社から干されたという話も聞いた事がある。
僕らはそういう立場の低い身で働いているわけだけど、
ここの出版社(文芸だけかもしれないが)は作り手も尊重してくれ
対価や進行含めその辺はしっかりしている。
今の時代、悪いところを批判するのは簡単だけど、
少なくとも自分にとっていい出版社は自分の宣伝だけではなく
もっと率先して宣伝すべきではないかと最近思う。

SNSの時代なので、イラストレーター一人一人がそのように
下請けではなくちゃんと外部スタッフとして扱ってくれるような会社を
贔屓目に宣伝していけば、一個人のちっちゃな力もいずれは
大きな力となって、自社中心の会社と差別化できる日がくるのではないだろうか。
僕らは自らの権利を主張するではなく、力あるものだけが利益を得るのではなく、
お互い持ちつ持たれつ、お互いが利益となるような環境であって欲しい思う。

絶唱文庫

絶唱文庫帯

2019.03.26 Tue 「消えた断章」 深木章子/著 (装画)

[2018年のお仕事]
「消えた断章」 深木章子/著 光文社 装丁:鈴木久美さん

モチーフを自分で決めることは少ないのだけど、
今回は僕の方で提案することになった装画
10年前に少女が誘拐され、記憶を断片的に失っているのと、
それとは別に同じ時期に男の子が誘拐され殺されている話が出てきます。
ゲラを読んでいて時間のゆっくりした流れと記憶に途切れがあり
そんなイメージをモヤモヤっとイメージした中の1案のオイル時計になりました。
画像では分かりませんが、帯は僕のグレーの背景のような紙で、
鈴木さんが選んでくれました。
 

作家の深木章子さんは弁護士さんの肩書きを持つ方。
そんな先生とお呼びしなくてはならないようなお方から、
仕事が終わった折にはお礼のメールをいただき、
お忙しい中、個展にもお越しいただき大変恐縮してしまいます。
弁護士さんが描く推理小説。ぜひお楽しみください!

消えた断章原画

消えた断章表紙

消えた断章帯H1

消えた断章帯H4

2019.02.18 Mon 「砂上」 桜木紫乃/著

[2017年のお仕事]
「砂上」 桜木紫乃/著 KADOKAWA 装丁:須田杏菜さん(KADOKAWA)

 1人の40歳代の女性が小説家を目指し、デビューして行くというお話。
「あなた今後、なにかしたいんですか」と問うような、
そうとう手厳しい編集者に鞭打たれながらデビューして行くのだけど、
もちろん著者さんと主人公が重なる。
どこまでが事実でどこは創作か非常に気になる。ある出版社の人が、
それうちの〇〇かもって言ってたから、結構現実に沿った内容も多いのかな? 
絵を描く人と同じくものを創っていく人の苦しみや
悩みが伝わって来て非常に興味深く面白い小説です。

 面白いのが「ぬにゅ〜ぽんぽん」の編集担当が「砂上」の編集の方。
「砂上」の乙三(編集者)のようには厳しくなかったですが、
2年後に自分自身が絵本デビューになるとは(笑

 画像のカバーはニス加工等で明るめですが、
原画はこの画像の中間くらいのブルーグレーだったように思います。
原画は作家さんの元に嫁いだので記憶がさだかではありません。

砂上原画

砂上カバー

砂上帯

砂上内容

2019.02.04 Mon 「小型哺乳類館」 トマス・ピアーズ/著

[2018年のお仕事]
「小型哺乳類館」 トマス・ピアーズ/著 
早川書房 装丁:二木順平さん

10歳代の理系少年だった時代を思い出すような
奇妙なSFちっくな短編12篇。
早川書房さんらしい外国の翻訳小説です。
帯の表4には「著者は、優れた考古学者にして好奇心旺盛な子どものように
幻想と現実のあいだの断層を掘り当てる」(エル)とありますが、
まさにそんな感じの楽しめる1冊です。
単体の動物たちを1枚の板に個別に描いて、
レイアウトで組み合わせてもらっています。

二木さんと早川書房の担当編集の方は
「えがないえほん」も一緒に担当されたとか。
二木さんは大学でタイポグラフィも教えていたりするだけに
面白い絵本だなと思いました。ご一緒できて光栄です。

どうぞよろしくお願いいたします。

小型哺乳類1

小型哺乳類2

小型哺乳類3

小型哺乳類4