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日々の生活絵図鑑 real illustration

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2013.12.18 Wed 海外の出版社との仕事

檸檬

ある日、英語で仕事の依頼が来た。
梶井基次郎の檸檬の翻訳に以前描いた絵を使いたいと言う。
全く知らない外国人からの仕事の依頼は初めてだったので、最初はとても戸惑った。
南フランスのアルルにある出版社で、自分がフランスにいた時に住んでいた
エクサン・プロバンスという街とそう遠くない街で、滞在時2度程行った事もあり、
海外からの初めての仕事が南フランスという事に何か縁を感じた。
この絵は日本の文庫本の為にグレープフルーツを描いたものだったのでそれを伝えると、
「フランスではグレープフルーツは日本のレモンのようなもの」と訳の分からない事を。
ん〜、久々に大らかなフランス人らしいアバウトさに緊張も少し和らいだ。

ちょうど仕事が終わるか終わらない頃、フランスから来ていたフランス人の友人家族が
京都等を回って、3週間のヴァカンスを終え帰国した。
数週間前に東京で会った時、「仕事はどうだ」と聞くから、冗談半分、もちろん本気半分で
「リーマンショック以来良くはない」とちょっと渋い顔で言ってしまった。
この仕事が終わった翌日、「南仏にもあなたに合いそうな出版社がある、
興味があれば手を貸そうか」と2社の出版社の名前が記されていた。
その1社が今回の本の出版社だった。
インターネット時代、とても世界は狭いと思うとともに、
今は仕事は世界中にあるのだなとも感じだ。

2013.12.04 Wed カイユボット展

 先日ブリヂストン美術館で開催されているカイユボット展を観て来た。同じくブリヂストン美術館で行われた土曜講座も2回聞いて来た。カイユボットに特化した展覧会は日本では初めてらしい。自分も名前と印象派の時代の画家である事ぐらいは憶えていたけど、どんな絵だったか最初は思い出せなかった。展示会場には写真で言うスナップショットを絵にしたような構図の写実的な絵と弟の取った写真が並んでいて、「あぁ、時代的にも写真を利用してるな、絵のタッチもこれと言って定まってなく、お金持ちの道楽?」というのが絵を見る目のない自分の第一印象。

 2回目の講義に「印象派にとっての写真、写真にとっての印象派」というのがあった。これを聞いていると、スナップショットっぽい彼の絵の時代にスナップショットを撮れるライカのようなカメラはまだ世にまだ出ていない時代で、それなのに時代を先取りにしたような構図が面白い、しかも現代の写真家がやっているような事をあの時代に目を付けているのが面白いと言う話があった。元々そう言う写真があって絵にする事と無いのにそう言う絵になるのは少し絵を観る側の意識も変わって来る。カイユボットの研究はまだまだ世界的にも進んでいないそうだが、今後その辺もどういう意図や方法であのような絵になったのかが解明されてくるのかもしれない。

 とは言え原点に戻れば、あの頃とは比べ物にならないくらい写真に目を慣らされすぎてる時代にどういう方法にせよ、「写真みたいね」で片付けられないような写実的な絵を描かないと現代では時間をかけて写実的な絵を描く意味が全くないと改めて感じた。写真と絵の狭間に興味のある方は是非観に行って観て欲しいです。

 一つ残念な事は、カタログの写真の色が原画と違い過ぎる事。原画と印刷は大きさも媒体も違うので同じにならないのだがあまりにも違いに結局買わなかった。