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2014.02.04 Tue 漫画とイラストレーション

実はこの数週間ちょっと落ち込んでいる。

東京イラストレーターズ・ソサエティ(TIS)という会で著作権の委員をしている関係で、先日、玄光社の「イラストレーション」が送られて来た。久々に手にしたこの雑誌で特集されているのは全て漫画家。既刊本で取り上げられているのも漫画家が多い。「イラストレーション」は自分が絵を目指そうと思い始めた頃にはバイブルのような雑誌で、その時代その時代の空気を持った注目されていたイラストレーターが取り上げられていた。イラストレーションの仕事は時代を反映するもの。今は小説も広告も漫画家が起用される事が多くなった。"Illusutration"とは?、僕らの仕事は"イラスト"じゃなく"Illustration"なんだとたまに話題になる。でも「イラストレーション」誌の表紙はいちばん的を得ていて英文のIllustrationのrationは裏にまたがり表紙はIllusto(イラスト)と読める。仕事をする人も作品もボーダーがなくなり、Illustrationやイラストいう言葉自身の解釈も大きく変わったんだなと感じた。

この号はイラストレーターや漫画家の中でも話題になったようで先輩方からツイッターで漫画家の江口寿史さんが話題にしていると聞き読んでみたけど面白かった。それに付随した氏が若い漫画家の絵を批判したという話題はさらに興味深く、江口さんにまだ世代の近い自分には彼のいう事は、一度彼と話して見たいと思うくらいとても共感できつつ、若い世代の方々のいう事も時代の中で、とても理解出来る事でもあり大きく時代が変わり、漫画もイラストレーションも時代の流れの中で変わった、変わらざるを得なかったとはっきり感じた。
上手くいえないけど20〜30年前の作家には固まりというか、芯というかその時代時代で確かに絶対自分には到達出来ないと思えるような有無を言わさない存在感と技術がある人がいて(実は今もいるのかもしれないが)、それは多分当時は技術や修練を積めば(もしくは楽しめる余裕があった?)、そこに依頼者が集中していつかは報いられるという希望やエネルギーを持てたのだと思う。今はなかなか大きな希望が持てないのと、良い味で以前に比べデビューはしやすくなったと思うので、ひとつの固まりが蜘蛛の子を散らすように広がり、依頼者もそれを一匹一匹捕まえている様なイメージだろうか。あとは時代とともに”面白い”という言葉の意味も変わって来た気がした。

いずれにしても時代が大きく変わったと肌で実感できたこの数週間。写実の絵は鉄砲の時代に刀で鍛錬しようというようなもの。時代が変わってしまったとはっきり実感出来た以上、自分の出来る事で時代とコミュニケーションをと取らないと只の自己満足に終わってしまう。言葉(絵)は違えど元を正せばどんな絵も本来コミュニケーション手段なのだから新たな言葉も学びつつ、自分が育った言葉で”対話”を出来る道を探さなくてはならない。

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